みなし残業代って何?

最近募集要項にちらちら見かけるようになった気がするみなし残業代について見ていきます。

みなし残業代とは?

みなし残業代・・・「みなし労働時間」「固定残業代」など、いろいろ呼び方があるようですが、制度自体は単純なものです。

簡単に言うと、本来働く時間に加えて一定時間の残業時間を見込んであらかじめ残業代を払うことを言います。

例えば、月給18万+みなし残業代2万「20時間の残業代」という募集要項があった場合、本来もらえる給料18万円に加えて、1ヶ月の間に20時間は残業するだろうと見込んで2万円の残業代をあらかじめ上乗せするのです。

注意点

この制度、中身は単純なのですがいろいろとややこしい問題を起こしていることもあるため、注意しなければならない部分があります。

残業代は残業代

平成29年4月、東京でこんな募集要項があったとします。

「月~金勤務、月給17万円(内2万円は20時間の固定残業代)」

・・・これ、実は労働基準法に違反しています。

みなし残業代というものはあくまで残業代をこれくらい残業するだろうとみなして上乗せするものであり、単純に残業代扱いです。

そして、この募集要項には17万円のうち2万円が残業代となっていますので、本来の月給は15万円ということになります。

そして、この15万円という数字を176時間(22日)で割ると約852となります。平成28年10月に改定された東京の最低賃金を割っています(20日だとギリギリ割らないのですが、月~金勤務だと22日働く月も出てきます)。

残業代はあくまで残業代です。本来の給料と一緒に考えてはいけません。

割増賃金は別に払われなければいけない

みなし残業代はあらかじめ残業代を支払うものですが、この中には割増賃金を含むことはできません。つまり、1週間40時間以上働いた場合や、深夜労働、休日出勤を行った場合はみなし残業代とは別に対象時間の部分に関して割増賃金を支払う必要があります。

ただし、この時の割増賃金の計算方法はみなし残業代の部分は当然含まれませんので働く人は注意が必要です。

みなし時間を超えたら残業代は追加で払わなければいけない

20時間のみなし残業代をもらっていて、30時間残業を行った場合は、みなし分よりも10時間オーバーした部分に関しては残業代を追加で払われなければいけません。みなし残業代を払っているからと言ってそれ以上残業しても残業代が発生しないなんてルールはありません。

みなし残業代が含まれると残業代が下がる

月給20万円のAさんと月給18万円+みなし残業代2万円(20時間)のBさんがいたとします。この2人が残業した時、もらえる給料はどれくらい違ってくるのでしょうか?

残業時間 Aさんの合計の給料 Bさんの合計の給料
0 200,000(0) 200,000(20,000)
5 206,250(6,250) 200,000(20,000)
10 212,500(12,500) 200,000(20,000)
15 218,750(18,750) 200,000(20,000)
20 225,000(25,000) 200,000(20,000)
25 231,250(31,250) 205,625(25,625)
30 237,500(37,500) 211,250(31,250)

※()内が残業代の部分です。
※1ヶ月160時間で計算。深夜労働や休日出勤はなかったものとします。割増等はややこしくなるのでここでは加えていません。

Aさんはみなし残業代がないため残業が発生した時点で全体の賃金が上昇していきます。一方のBさんは20時間まではすでに残業代が支払われたものとして扱われるため、賃金が上がりだすのは20時間を超えた時からです。

また、残業代の単価を計算するときに元となる賃金には手当等は含まれません。つまり、Aさんの残業代の単価は20万円を元に計算されるのに対し、Bさんはみなし残業代を除いた18万円をもとに計算されるため、Bさんの方が残業の単価が低くなってしまうのです。

この場合だと、残業代の単価はAさんが1,250円に対し、Bさんが1,125円となります。

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