労働基準監督署って何をしているところ?

会社や店が従業員に対して違法なことをしたときなどによく出てくる労働基準監督署ですが、一体どんなところなのでしょうか?

主な仕事は2つ

労働基準監督署は厚生労働省の傘下にある組織であり、各都道府県に設置されています。労働基準監督署という名前が長いので、略して労基とも呼ばれたりします。国の組織なので全員公務員です。

労基が行っている仕事はいろいろありますが、主な仕事にしぼると以下の2つになるのではないでしょうか?

事業所の監視

会社や店などが労働者に対して法律を違反したことをしていないかを監視する仕事をしています。

賃金はきちんと支払われているのか? 職場の安全対策はしっかりと行われているのか?などを調査し、もし違反している(あるいはその疑いがある)と労基が確信した場合は、その事業所に対して是正を促したり、もしひどい事例であれば警察と協力して刑事訴訟に踏み切ることもあります。

労災保険関係の取り扱い

労働者が働いているときにけがや病気になった際には労災保険が下りることになりますが、このあたりのことを管理しているのも労基なのです。

あくまで管理をしているのが労基であり、実際に労災が起こった時に働く人が手続きを行う場所はケースによって異なることがあるでしょう。

労基はちゃんと仕事している?

労基によって摘発されている事業所はニュースで大々的に報道されていないものも含めると少なくはないでしょう。しかし、それ以上に労働環境がひどい状況になっている事業所はもっと存在すると考えられます。

そのため、明らかに法律違反なことをしているのに労基からの是正が入らないような事業所も存在するでしょう。少なくとも、そこで働いている人たちからしてみれば「労基はちゃんと仕事しろよ!」と言いたくなると思います。

労基の深刻な人手不足

現在の労働市場は人手不足の傾向にあります。これは労基も例外ではなく、労働者のために事業所を監視する側もまた人手不足という悩みを抱えているのです。

厚生労働省によると、12年度の監督官の定員は3181人。08年度より105人増えたが、監督官1人当たりの労働者数は約1万6400人で、国際労働機関(ILO)が目安とする「最大1万人」に対して配置数が大幅に不足している。ドイツの約5300人、英国の約1万800人と比べても極めて手薄だ。

しかも、企業の手口は巧妙化し、調査は難しさを増している。労務問題の専門家である社会保険労務士の一部が、監督官の調査手法や対処法を企業に指南していることも一因とされる。「中には元監督官もいる。監督官の手の内が分かれば、未払い残業も見破られにくい」と、ある社労士は明かす。

引用:労働基準監督官 実情と課題…雇用環境、厳しくチェック – YOMIURI ONLINE

労働基準監督官は国家公務員であり、国家公務員ということは国家公務員試験を通らなければ監督官にはなることができません。ただでさえ狭き門の公務員試験に少子化が重なれば人手不足に陥るのは必然と言えるのではないでしょうか?

監督官の負担を減らすために仕事の一部を民間に委託するという案も出されたことがありますが、厚生労働省は慎重なようです。

人手不足の監督官の負担を減らそうと、違反行為の有無を調べるために企業に立ち入る定期監督業務などを、社会保険労務士などの民間人に委ねられないかとの提案が出された。

これに、厚生労働省側は「複雑な仕事で民間人では難しい」などと反発した。

引用:労基署の業務、民間委託は妥当なの? – J-CAST社会ウォッチ

上記の記事内では民間委託に賛成か反対化の投票ができるようになっていますが、2017年6月28日現在では賛成が18.2%、条件付き賛成が34.5%(合わせて52.7%)だったのに対し、44.8%は専門家が必要だと思うので反対と、こちらでも意見が割れている結果となっています。

良くも悪くも「お役所仕事」

そして、労基はあくまで事業所が法律違反を犯していないかどうかをチェックするための期間であり、事業所と労働者の個人的なもめ事に対する相談に対しては対応してくれません。

残業代が支払われていないというケースで言うと、これは違法行為ですが、労基が行うとすれば賃金未払いに関する違反の是正勧告や刑事事件として裁判所にかけるくらいのことしかできず、自ら未払いの残業代を請求するとなった場合は民事事件として自ら訴訟を起こして戦っていくしかないのです(弁護士に相談することはできますが・・・)。

そのために「労基はもっと仕事しろ」という声が出てくるのかもしれません。

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